今はだいぶゲイだとか、レズだとか寛容になったとは言っても、まだまだ偏見や世間体を気にする方が多いと思います。なのでそのような内容を今回記載しているというのを注意する上で上記の画像を掲載しています。偏見がある人こそ読んで欲しい漫画を今回紹介しますが、自分と関係なくても絶対無理という方は無理に読んでも気分を害する可能性がありますし、理解はできないと思いますのでここでブラウザバックを推奨いたします。
こいものがたり
作者:田倉トオル
出版社: 幻冬舎
性描写:なし
これまであまり接点のなかったクラスメイトの吉永が、たまたま偶然ゲイかもしれない会話を聞いてしまう長谷川。その吉永が好きだろう相手も、そのさり気ない視線などからノンケの友人だということにその会話を聞いた後に感づいていきます。
そんな中、得意科目を教え合う機会ができ、長谷川と吉永の友達付き合いがはじまり、吉永を良く知ることで「普通にいいヤツ」ということが分かっていきます。吉永がゲイだということが長谷川が確信し、吉永もそれを認めるが、そのときすでに「友人として大事」になっていた長谷川は今まで同性・ノンケで理解者が居なかった吉永の良き理解者・相談相手になります。
そしてさまざまな問題、事件などが発生していく中、クラスメイトや家族などを巻き込んで「同性愛者」がどんな苦しい思いをしているか、その理解者である長谷川や女友達、ゲイだと知らないけど吉永を大事だと思っている友人たちの様子や日常、その関係性が熱く描かれています。
性描写は現在発刊されている2巻までは一切ありませんので、少なくとも同性愛に理解ある人もしくはあまり肯定的ではない人でも読める作品だと思います。吉永の苦悩、長谷川の苦悩、普通の友人たちの苦悩、それぞれが細やかに描かれているので泣けます……。ただのBL漫画ではなく、人間関係やゲイであることの悩みを全面に押し出した作品です。腐女子・腐男子がキュンキュンするためだけの漫画ではないのは確かです。ぜひ、一度読んでみてください。
この漫画を読んでみて思ったこと
普通のヘテロの人たちだって、好きな人に告白して付き合えないならお断りするだけじゃないですか。告白してきた相手が同性だったとしても同じですよね。ただ「人を愛すること」がこんなにも偏見で苦しくなってしまうんだというのが感じられて、吉永や長谷川に泣けます。というか長谷川、強すぎ、男前すぎ、こんな人間になりたいですね。周りの友人たちも良い人多くて頼もしいですが、それでも嫌な奴はいます。少しでもLGBTへの偏見が減ることを祈ります。