はじめに:自分の使用用途と目的を明確にしよう
PCをはじめて購入する場合に、まず一番にまとめておく必要があるのが、「自分の使用用途と目的」です。これがしっかりまとまっていないと、自分に最適のパソコンを購入することはできません。
どの程度のPCスペックが必要なのか、外または家・オフィス内で持ち運びが出来る必要があるか、Webカメラやマイクを用いてチャットや会議を行うのか、一番、二番、三番くらいまでの購入・使用目的を洗い出しておきましょう。
それによって購入するパソコンが決められていきます。
第1の選択:デスクトップPCかノートPCか
デスクトップPCとノートPCの違いですが、一番は基本的に持ち運びが出来るかどうかです。二番目にデスクトップのほうが性能が良く、価格も抑えられる傾向があります。
細かいところでは、ノートだとPC自体にウェブカメラやマイクが内蔵されていることが多いですが、デスクトップでは基本的にありません。別途用意が必要になります。
デスクトップPCの場合のポイント
- 基本的に持ち運べない
- 性能が良く、価格も抑えられる
- 別途モニターやウェブカメラ、マイク、キーボード、マウスが必要(iMacを除く)
- BTOや自作の場合はパーツを自分で交換可能
家などでどっしり作業やゲームを行う場合は、デスクトップで良いです。用途によっては別途購入必要なガジェットがあります。BTOや自作の場合はカスタマイズ性が高くなりますが、不具合やパーツ故障などが起きた場合、自分で解決しないといけないので注意が必要です。
外出先での用途が頻繁にない限り、はじめてのPCはデスクトップPCにしましょう。ちょっとしたことならば、iPadやスマホでも可能な時代です。
ノートPCの場合のポイント
- 持ち運びが可能(17インチ以上は家・オフィス内持ち運び用)
- 性能の割に基本的には高価格
- 別途モニターやウェブカメラ、マイク、キーボード、マイスは不要(必要な機種もある)
- パーツ交換は基本的にできない
がっちり外出先でも作業を行う必要がある場合は、ノートPCが必要です。そこまで頻繁に外で作業が必要でない場合は、iPadやスマホでも代替えできないか検討しましょう。13インチ~15インチでは外への持ち運びはできますが、17インチになると基本的には持ち運びに適さない大きさと重さになるので、家などの中での持ち運び用途となります。
はじめて購入するパソコンの場合は、Windowsを選択しておけば間違いはほぼないです。Macでしかないソフトなどで必ず必要の場合はMacしかありえないのですが、そうでない場合はWindowsでないと不便なことが多いです。
基本的にMacではゲームが対応していなかったり、EXCELのマクロが出来ないなど制限が多かったりします。法人でない場合は関係ないですが、銀行システムもMacでは対応していなかったりします。
Macでないと絶対ダメな用途でない限りは、Windowsを選びましょう。
第2の選択:スペックをどうするか
デスクトップPCかノートPCかが決定したら、次は用途に合わせたスペックを選びましょう。予算に余裕のある場合は、スペックガチ盛りにしておけば問題ありません。PC性能は「大は小を兼ねる」が明確です。特にデスクトップPCのBTOや自作の場合、その都度パーツ交換でスペックアップを行うことはできますが、ノートPCはできませんので確実に必要なスペック以上を選びましょう。
CPUには世代があります。特にインテルの「Core i□ △○○○」シリーズでは、昔から同じ形式の表示ですが、世代によってかなり性能が違います。
CPU単体としての性能は第8世代からはそこまで大きく変化していませんので、最低でもインテルの場合は「core i□ 8000」シリーズ以上を選ぶようにしましょう。もちろん、最新CPUの性能が一番良いのは確かなので、今だと第10世代(10000シリーズ)を選ぶのがベストです。
AMDのRyzenも第1世代と第2世代以降では性能が大きく変わっていますので、Ryzenの場合も2000シリーズ以上を選びましょう。
ブラウザ使用、音楽管理、オフィスソフト、メールソフト
上記の使用目的の場合は、特にスペックは必要ありません。ただし、上記のソフトでも多重起動、ブラウザのタブを多くキープしておく必要があるなどの場合は、メモリが重要となりますのでご注意ください。それでも基本的にはメモリ16GBもあれば十分です。
CPU | インテル Core i3 以上(第9世代or第10世代) AMD Ryzen 3 以上(第2世代or第3世代) |
GPU | CPU内蔵GPUで十分なので必要なし ※デスクトップの場合、CPUに内蔵GPUがないものもあるので注意。Ryzenの場合は末尾に「G」表記があるCPUが内蔵GPUを持ちます |
メモリー | 最低8GB、できれば16GBは欲しい |
SSD/HDD | 起動速度や読み書き速度からSSD(or M.2)が良い。データや音楽を大量に保存しない限りは容量は256GBから。できれば1Tは欲しい ※クラウドサービスや外付けSSD/HDDで対応や増設は可能 |
Macの場合は、Macbook12インチ~Macbook Airがオススメ。iMacなら21インチの最低価格のものでOK。
※あくまで例としての機種+カスタマイズ前提なのでご注意ください。
ブラウザゲーム、2Dゲーム
ちょっとスペックが必要になるものとして、ブラウザゲームや2Dゲームなどがあります。その用途の場合は、できればGPU性能も良いものを選びたいです。例えば、グランブルーファンタジーやブラウザのM(M)ORPG、ラグナロクオンラインなど、描画演出がある程度あるものはGPU性能が良くないとちょっと反応が悪くなります。
ただし、最新CPUの場合は内蔵GPUの性能がある程度UPしているので別途GPUを必要とするほどでもありません。
CPU | インテル Core i3 以上(第9世代以上) AMD Ryzen 3 以上(第3世代以上) |
GPU | インテルの10000台またはRyzenの4000台ならばCPU内蔵GPUで十分なので必要なし ※デスクトップの場合、CPUに内蔵GPUがないものもあるので注意。Ryzenの場合は末尾に「G」表記があるCPUが内蔵GPUを持ちます 別途GPU:Radeon RX 550以上、Geforce GTX 1050以上 ノートの場合:RadeonやNVIDIA(Geforce)の表記があれば問題なし |
メモリー | 最低8GB、できれば16GBは欲しい |
SSD/HDD | 起動速度や読み書き速度からSSD(or M.2)が良い。容量は512GBから。できれば1Tは欲しい ※クラウドサービスや外付けSSD/HDDで対応や増設は可能 |
※あくまで例としての機種+カスタマイズ前提なのでご注意ください。
3Dゲームや高画質ゲーム、フレームレートが必要のゲーム
さらにスペックアップが必要とされる、3DゲームやFPSのゲームを遊ぶにはCPUもGPUもそれなりのものが必要となります。ゲーム系はGPU性能が重要となりますが、CPUがしょぼいのに、GPUがすごくても、CPUにひっぱられてGPU本来の性能が発揮できないことがあるので注意が必要です。CPUは最低でもRyzen 5以上、Core i5以上を選びましょう。
CPUに関しては、CPUのシングル処理性能が高ければ高いほどゲームは快適に動作します。なんでシングル性能に強いインテルをなるべく選んだほうが良いです。ただし、AMDもRyzenの第3世代以降はシングル性能も良くなってきたので第3世代を選ぶ場合はそこまで意識しなくても大丈夫です。
フルHD(1080p)なのか、4K(2160p)なのか
GPUの選び方ですが、プレイする解像度でもチョイスは変わります。一般的な解像度であるフルHDならば、ミドルクラスのGPUで十分です。4K解像度でのプレイをするならば、最低でもGeforce 2060 SUPERが必要になります。さらに高画質設定でとなるとGeforce 2080 SUPER以上が必要です。
フレームレートが必要なゲーム(対戦型アクションゲームなど)な場合もGPUの性能が必要になりますが、表示するモニターもそのフレームレートが表示できる性能がないと意味がないので注意が必要です。標準のモニターやTVは60が普通です。120や144対応のモニターでないといくら数値上でフレームレートが出ていても表示が出来ないのです。なので、普通にプレイするならば60~70程度安定して出ていれば十分です。それ以上を求めるならば、GPUと合わせてモニターにもお金を掛けましょう。
CPU | インテル Core i5 以上(第9世代以上) AMD Ryzen 5 以上(第3世代以上) |
GPU | Radeon RX 5600 XT以上、Geforce GTX 1660 Ti以上(4Kで楽しむなら2060 SUPER以上) ノートの場合:Geforce GTX 1660 Ti以上 |
メモリー | 16GB以上 |
SSD/HDD | 起動速度や読み書き速度からSSD(or M.2)が良い。容量は1TBから ※クラウドサービスや外付けSSD/HDDで対応や増設は可能 |
※あくまで例としての機種+カスタマイズ前提なのでご注意ください。
写真・動画編集
写真や動画編集に必要なスペックは基本的にCPU性能が大前提で必要です。動画編集はさらにGPUパワーを使用して処理を早くする機能がソフトに付随していることが多いので、GPUもできればミドルクラス程度は欲しいです。写真編集の場合は、そこまで大量に一気に処理したり、大きい解像度の写真を編集したりしない限りはCPU性能もそこまで必要ではありません。
ゲームとは違って動画編集は、CPUのマルチスレッド性能が重要になります。コア数スレッド数が多いほど、基本的には処理が早くなります。なので、コア数スレッド数が多いRyzen9シリーズがオススメです。同じ多コア多スレッドのインテル製(i9 10000シリーズ)だと、倍以上の値段がします。コスパが悪いです。
ちなみにですが、RyzenThreadripperという最上位のAMDCPUで40万円するものは、64コア128スレッドです。おそロシア。
CPU | インテル Core i7 以上(第9世代以上)動画編集はできればCore i9 以上 AMD Ryzen 7 以上(第3世代以上)動画編集はできればRyzen 9以上 |
GPU | Radeon RX 5600 XT以上、Geforce GTX 1660 Ti以上 ノートの場合:Geforce GTX 1660 Ti以上 |
メモリー | 32GB以上 |
SSD/HDD | 起動速度や読み書き速度からSSD(or M.2)が良い。容量は最低1TBから ※クラウドサービスや外付けSSD/HDDで対応や増設は可能 |
Macの場合は、MacBook Pro 16インチがオススメ。iMacなら、27インチの一番良いやつをカスタマイズするのがオススメです。
※あくまで例としての機種+カスタマイズ前提なのでご注意ください。
第3の選択:メーカーや購入先をどうするか
スペックも決定したら、最後に購入先をどうするかです。デスクトップPCでは、有名メーカー(DELLやASUSなど)のパソコンを購入するのが一番安心です。ただし、パーツを自分で交換できないことも多いので、そこらへんも視野にいれるならば、BTO(ガレリアやツクモ、mouse)を選ぶのも手です。
ノートPCの場合は、自分の必要なスペックに合っているものを選ぶのが一番です。もちろん、BTOメーカーのノートPCもカスタマイズしやすいので一番近いスペックのものを選んで、そこからカスタマイズしていくのが良いです。ASUSやDELLでは、同じ機種でもいろいろな組み合わせがあるのでオススメです。
その他、ヤフオクやメルカリなどで中古品を選ぶ手もありますが、もちろんリスクがあるのでPC初心者、オークション・直接取引初心者にはオススメできません。
大手国内メーカー
東芝(dynabook)やSONY(VAIO)、Panasonic(レッツノート)などの大手国内メーカーでは、基本的にCPUが低性能~高性能のものが多く、基本的にグラフィックボードが乗っていないものが多いです。余程、そのメーカーが好きじゃない限りは選ぶ必要はありません。性能の割に高価格なものも多いです。
ただし、不具合や故障した場合は、保証期間内ならそのまま送ってしまえば修理して戻ってくるので自分で原因を探す必要がないので楽ではあります。
有名メーカー(主に海外)
ASUSやDELL、HPなど有名メーカーの場合は、ラインナップが豊富で、自分の目的に合ったPCを探しやすいです。値段が安い最低限のPCからゲーミングPCまでさまざまなPCを選ぶことができます。個人的にノートPCの場合はここから選ぶ傾向が高いです。
サポートもある程度はしっかりしているので故障や不具合があった場合も相談しやすいです。
BTOブランド
ガレリアやツクモ、mouseなどのBTOブランドはカスタマイズが豊富にできるのが魅力です。デスクトップPCの場合は、限りなく自分に合ったPCを選ぶことができます。基本的に自分でパーツ交換もできるケースを採用していることが多いので、パーツが故障した場合やスペックアップする場合は自分で行えるというメリットもあります。
ただし、有料で保証追加しない限りはサポートが悪い傾向にあるので注意は必要です。
自作をする
自作の場合は自分でパーツを集めて、自由にデスクトップPCを作成できます。PCパーツは昔ほどではないにしろ、「相性」があったりするので、故障していないのにうまく動作しないなどの問題も稀にあります。
さらに、組みてていざ電源入れても動作しないときは、原因を自分で調べないといけないのでその場合はかなり時間を要することもあります。
ただし、格安パーツを自分で探せる、選べる、自分で自由なスペックを作成できる点は魅力です。身近に自作PCが出来る人がいる場合は師事を仰いで一步を踏み出してみることも良いでしょう。自分ではじめから行う場合は、動画や色々ググって勉強して行いましょう。
ちなみに私は中学3年生のころに初めて自作PC作った経験があります。親が自作PC派だったのでかなり恩恵を得られました……。